そもそも家庭教師とは一体何でしょう?
生徒達の分からない処を教える職業。 確かに「教える」仕事ですね。 しかし、家庭教師のホームページのほとんどがその「教える」ということに関して具体的なコメントがありません。これは一体どういうことでしょうか?「教える」ことは教師なら誰でもできると考えているのではないでしょうか? 「教える」ことは簡単なことではありません。 生徒の躓いている箇所を判断し、そこを分かりやすく面白く解説し、それを定着させるために宿題を出す。 その宿題の出し方、宿題のチェックの仕方(これが大事です、宿題の出しっぱなしは効果がありません)、暗記事項の定着方法の考案等を生徒の個性、能力に応じて考える。 そして二度や三度でうまくいく事の方が少ないので、これを根気よく、定着度や理解度に応じてやり方を変えながら繰り返す。 これが出来なければ、「教える」ことはできません。 こういうことは学生の家庭教師にはまず出来ません。 そして残念なことに所謂プロ家庭教師と言われている教師もキチンとやっている人は非常に少ないのが現状です。 私が教えた生徒のお母さん方は口を揃えて「山本先生のようにやってくださる家庭教師は今までいませんでした。」とおっしゃいます。
実績紹介
三教科(算数、国語、理科)を指導して甲陽中に合格させました。
平成19年度に灘高に合格させた生徒がアメリカのエール大学に入学しました。
灘高に合格した際に灘高での勉強の仕方を教えただけですが。
生徒のタイプに応じてもう少し具体的に話しましょう。
甲陽学院中に入学した生徒について
滝川高に合格し立命館大学に進学した生徒について
公立高校に合格した生徒について
甲陽学院中に入学した生徒について
甲陽学院中の場合も灘中の場合と同じく、進学塾の特進クラスか甲陽クラスに在籍していないとなかなか合格しません。甲陽学院中に合格した生徒の中で非常によく伸びてくれた生徒を二人、紹介しましょう。
一人目は、4年生の4月に引き受けました。希学園の特進クラスで偏差値は55程度でした。お母さんは何とか灘中、甲陽学院中に合格させてくださいと仰いました。ちょっと難しいかなと思いましたが、あと3年あるので何とかなるだろうと思いました。
まず大切なのは、コツコツと宿題や知識事項の暗記をする習慣を作り上げることでした。4年生の時は週1回だったので毎週宿題のチェックをすること、塾の宿題で分からない問題があれば質問のFAXをさせてそれに対してのレジメを作成して送信することが私の主な仕事でした。そしてそのレジメの内容を理解しているかどうかもチェックしました。
5年生の春には偏差値が60台になり、私の授業が週2回になりました。5年生になり特に力を入れたことは、時間に余裕が出来たので、算数の図の訓練でした。とにかく自分で図を書かせること。そしてその図のどこがおかしいのか?どの点に不都合があるのか?を丁寧に説明しました。図の書き方の基本を徹底的に指導しました。国語では読解の基本となる知識事項の整理、特に口語文法の基本の説明、漢字の微妙なニュアンスの説明、漢字の部首の意味の説明、慣用句などでは語源の説明を丁寧に続けました。こういう事項は、塾は「暗記しろ」としか言いません。しかしこれらの事項も印象に残るように面白く、分かり易く説明するだけでかなり身に付くのです。例えば「おおざと」と「こざとへん」の意味の違い、「整」の漢字の成り立ちと意味等、レベルの高い生徒であれば、説明だけで忘れません。理科では力のつり合い、水溶液、天体等良く出題される分野の説明、そしてモーメントを図の中に必ず書き込むこと、完全に反応する段階を必ず表に書き入れる事等、理科の問題を解く上で実行して欲しいことを説明しました。また、暗記事項の整理のために私特有の暗記の仕方をまとめた理科のレジメを何枚も作成し、それを暗記させました。
そうして6年生の春には偏差値が70ほどになりました。こうなるともう占めたもので、あとは今までやってきたことを丁寧に仕上げていくだけです。夏休みが明ける頃には偏差値が70半ばになり、灘中も合格可能な圏内になりました。でもこの生徒は灘中の算数の1日目の試験、多くの問題を素早く解くというタイプの試験を苦手にしていたので、甲陽学院中を受験することにしました。結果は文句なしの合格です。
二人目は、6年生の夏休みに引き受けた生徒です。星光学院中が志望校でした。
その当時は星光学院中は算国理社の4科目受験でした。算数以外の3科目は十分合格レベルでした。ところが肝心の算数が今一つでした。この生徒は算数が苦手なんだろうと考えていました。ところが最初の授業でその生徒は「算数は苦手ではない、復習すれば出来る。」と言うのです。私は「ピーン。」ときました。そこでその生徒に速さの問題を中心に十題ほど図を書いてもらいました。そして図を書かせている途中でおかしい点や不都合な箇所が出てきたらその都度何故その図がおかしいのか何故その図の書き方に不都合があるのかを丁寧に説明しました。するとその日の最後には見違えるほど図の書き方が上達していました。私は帰宅する前にお母さんに言いました。「志望校合格は大丈夫です。」と。算数の図は問題のパターンに分けて暗記するものだと考えていたのです。確かに算数の図の書き方にはいくつかパターンがありますが、本来算数の図は、自分の理解を図にまとめるという点に意味があるのであって、暗記するものではありません。この生徒は根本的な処で勘違いをしていたのです。
契約は夏休みだけだったのでその生徒は星光学院中に行くのだろうと思っていました。
ところが夏休みの最後の授業の時にお母さんから継続の申し入れがありました。本人が「どうしても甲陽学院中に行きたい、山本先生と一緒に勉強したら合格出来そうな気がする。」と言い出しました。と仰るのです。もちろん快諾しました。何とか週1回は私の週1日の休みの日に入れることが出来ましたが、出来るだけ学校の臨時の休みの日や早く学校から帰って来れる日に追加を入れる事にしました。
とにかく算数の図の書き方を含めて実力の絶対値を上げないと甲陽学院中には届きません。自分で出来るだけ頑張って質問を用意してくれていました。私の説明で納得出来ても後で必ず2回はやり直す作業を着実に実行してくれる生徒でした。そして臨時でする授業の時には理科の過去問を丁寧に解説して、私特有のレジメを暗記させました。そして10月の志望校判定では甲陽学院中のA判定をもらいました。12月の模試では灘中にも届くのではないかという成績を収めました。夏休み前と比べて希学園での偏差値で10は上昇しました。甲陽学院中合格です。
滝川高に合格し立命館大学に進学した生徒について
この生徒を引き受けたのはもう中学2年生になろうかという中学1年生の3月でした。
クラスの最下位、偏差値は30程度でした。体に少し弱い処があり、クラスの他の生徒からイジメを受けていたという事もあり、この成績でした。お兄ちゃんと同じ滝川高に入れてくださいとの依頼でした。
「さてどうしたものか?」と思いました。滝川高に合格させるには偏差値25は上げないといけません。「2年で25、ちょっと苦しいな」と感じました。でも弱音を吐いたからと言って偏差値は上昇しません。とにかく出来る事からコツコツとやっていくしかありません。まず学校の授業を一生懸命に聞きなさいと注意しました。ただ一生懸命に聞くと言ってもよく分からないであろうから、学校の授業の時に学校の先生の目をじっと見つめていなさいと言いました。先生の目を見つめながら、先生の言っている事を全部暗記するつもりで聞きなさいと指導しました。もちろん全部暗記出来る筈がありませんが、全部暗記しようと思って聞くことで集中力がぐーんと上昇するのです。2か月ほど経過すると生徒本人から授業が少し分かるようになったという報告を受けました。授業を集中して聞くといっても、まずは滝川高受験に必要な数学、英語、国語の三科目なので負担は少なかった筈です。
この間に私がした主な仕事は小学校の内容の復習です。算数の分数の計算の訓練、国語の漢字の復習、文章読解の基礎の説明、これらを小学校の復習と生徒に悟られないようにプリントをコピーして教えました。学校の授業が少し分かるようになったということなので、私の宿題を少し多めに出すようにしました。しかしその宿題が問題でした。宿題を単にすれば良いと考えていて、どれだけ間違えていようとも、暗記の宿題であればほとんど暗記していなくても、宿題をしたと考えていたのです。これからがプロ家庭教師の本領の見せ所です。徹底的に意識改革です。宿題をするという事は、宿題に出された事項を再びテストされた時に完璧に出来るようにしてこそ宿題をしたと言えるのだと、暗記の宿題であれば完璧に暗記してこそ宿題をしたと言えるのだと、教え込みました。もちろんそう簡単に完璧に出来るものではありません。しかし完璧に宿題をこなそうという意思が大事なのです。完璧に宿題をしようという意思がある限り、必ず生徒の学力は伸びます。
3か月ほどして私の宿題がそれなりにこなせるようになったのを機に、2年生の9月から私の授業は学校より先行して進めることにしました。3年生の9月からは滝川高の過去問をする予定なので、あと1年で中学3年生の内容を終了させなければなりません。さすがに授業内容を先行して勉強するのは難しいらしく、私の授業が週1回の中学2年生の間は効率よく進める事は出来ませんでした。中学3年生の4月には週2回になりました、そうなると先行授業も少しは分かり易くなったようでようやく軌道に乗ってきました。3年生の夏休みには過去問をするための基礎造りを徹底的にしました。夏休み明けの9月の模試で偏差値40程度でした。まだまだ滝川高受験には不足ですが、これでも良く伸びてくれたと私は感じていました。
私のプロ家庭教師の経験上、偏差値が低い生徒はテストのやり方が下手な場合が多いです。もちろん学力が低いのは確かなのですが、テストのやり方を手取り足取り教えてあげるとびっくりするほど伸びる場合が多いです(例外もありますが)。過去問でテストのやり方を特訓をすれば偏差値で10は伸びるであろうと考えていました。3か月間過去問漬けの結果、12月の模試で偏差値48になりました。でも滝川高にはまだ7足りません。学校の進路指導の先生には滝川は100%無理だから、志望校をワンランク下げろと強く言われたそうです。この生徒のお兄ちゃんも直前で良く伸びてもう少しで滝川高の特進に合格出来る処までいったのです。偏差値で20ほど伸ばしたので私はこの生徒を滝川高に合格させる自信がありました。私は生徒のお母さんに言いました、「絶対に合格させてみせます、志望校を変更する必要はありません」と。
冬休みにはお昼の時間帯にほぼ毎日授業をしました。中学受験が終了して私のスケジュールに余裕が出来てから高校受験までは週3回のペースで授業をしました。結果発表の当日、お母さんは「合格しました」と電話口で仰ってから泣き出されてしまいました。こちらも思わずもらい泣きです。
生徒は高校受験合格で自信が付いたのか、滝川高校での勉強は非常に順調でした。難なく立命館大学合格です。偏差値レベルで言えば5年間で30から65に伸ばしました。私のプロ家庭教師の人生の中でも会心の仕事の一つです。
公立高校に合格した生徒について
中学3年生の2学期には決定してしまいます。なので公立高校に合格させようとすると、中学2年生の時に引き受けるか、3年生の時点で引き受ける場合ならば、合格可能性のある成績からあまりかけ離れた成績でない必要があります。もちろん例外もあります。
ある生徒を中学3年生の4月に引き受けました。成績は偏差値レベルでいえば40を切っていました。この生徒を週1回で全科目指導して、まず学校の定期テストで点を取らせなければなりません。もちろん週1回2時間の授業で全科目の講義が出来る筈もありません。全科目の宿題を出し、それらをすべてFAXさせ、その正誤を確認して更なる指示を出すという指導法を取る事にしました。ところが厄介なことが。「宿題は自分で採点してからFAXするように。」と指示していたのですが、英語ではスペルが1字間違えていても正解にしていたり、数学の証明問題では合同や相似の問題で対応する点を間違えていても正解にしていたりすることが非常に多いのです。こういう事が他の科目でも多いのです。それを次の授業の時に指摘すると、「宿題が多くてそこまで丁寧に正誤のチェックが出来ない。」とその生徒は言うのです。本当かどうか私は耳を疑いました。それで私の目の前で、宿題に出す予定の英語と数学の問題を少ししてもらって採点をさせました。すると採点のチェックが非常に遅いのです、わざと遅くしているのではなく、横で見ていて本当に真剣に採点していました。これは40の偏差値などではない30近いのではないかと感じました。それをご両親に質問すると今までに一番良かった模試の偏差値だと言われました。偏差値を平均すると30前半だという事でした。何故それを最初に言って下さらなかったのですかと伺うと正直に言うと先生が引き受けて下さらないと考えましたと仰るのです。確かにこのレベルで週1回で一か月先の中間テストで結果を出すのは不可能だと思われました。しかし一旦引き受けておいて投げ出すのは私の主義主張に反するので継続して引き受ける事にしました。
中間テストが1か月先に迫っているので、前回と同じ宿題の量を出し、それを自己採点させてFAXしてもらい、こちらが一字一句丁寧にチェックして送り直し再課題にしてそれを再びFAXさせてまたチェックするという、気の遠くなる作業を1か月続けました。その結果、学校の進路指導の先生にこのまま成績が伸びれば公立高校も夢ではないと言われたそうです。こちらとしても少し可能性が出てきたのだから、このまま頑張るしかないと思いました。他の生徒の指導の手抜きはもちろん出来ませんから、睡眠時間を減らしてFAXのチェックをやるしかありません、どこまで私の体がもつか多少心配でした。一学期の期末も何とか成績を伸ばしました。勝負は夏休みです。ご両親に「せめて夏休みの期間だけでも週2回にして頂けますか?」とお願いすると快諾して下さいました。夏休みは生徒本人の家庭学習の時間が増えるので、いくら時間がかかっても自分で丁寧に採点させました。自分で自分の誤りに気付いてそれを自分でやり直しをしてこそ成績は伸びます。すると夏休み明けの9月の実力テストでは、生徒本人が言いました、「今まで取ったことがない良い点でした。」と。私の目から見てもこの5か月で偏差値でいえば20近く伸びました。そして夏休みは生徒本人に丁寧に宿題の採点をさせたので私の睡眠時間も確保できました。ラストスパートする体力が戻りました。
2学期になり再び生徒に家庭学習にかける時間が減ったので、FAXはまた私が丁寧に採点する事になりました。でも生徒の学力が伸びたので前述のような誤りはかなり減少したので私の睡眠時間も少ししか減少しませんでした。中間テストでは偏差値が55ほどになり、学校の進路指導の先生に公立高校OKの内諾を頂きました。期末テストの結果、公立高校は大丈夫と言われました。これでほぼ安心です。ご両親にお願いして宿題のチェックを生徒本人にしてもらう事にしました。もちろんこの生徒の指導の手抜きをした訳ではありません。内申で大丈夫と言われればこのまま普通に勉強すれば合格が間違いないからです。結果は公立高校合格です。