そもそも家庭教師とは一体何でしょう?
生徒達の分からない処を教える職業。 確かに「教える」仕事ですね。 しかし、家庭教師のホームページのほとんどがその「教える」ということに関して具体的なコメントがありません。これは一体どういうことでしょうか?「教える」ことは教師なら誰でもできると考えているのではないでしょうか? 「教える」ことは簡単なことではありません。 生徒の躓いている箇所を判断し、そこを分かりやすく面白く解説し、それを定着させるために宿題を出す。 その宿題の出し方、宿題のチェックの仕方(これが大事です、宿題の出しっぱなしは効果がありません)、暗記事項の定着方法の考案等を生徒の個性、能力に応じて考える。 そして二度や三度でうまくいく事の方が少ないので、これを根気よく、定着度や理解度に応じてやり方を変えながら繰り返す。 これが出来なければ、「教える」ことはできません。 こういうことは学生の家庭教師にはまず出来ません。 そして残念なことに所謂プロ家庭教師と言われている教師もキチンとやっている人は非常に少ないのが現状です。 私が教えた生徒のお母さん方は口を揃えて「山本先生のようにやってくださる家庭教師は今までいませんでした。」とおっしゃいます。
実績紹介
三教科(算数、国語、理科)を指導して甲陽中に合格させました。
平成19年度に灘高に合格させた生徒がアメリカのエール大学に入学しました。
灘高に合格した際に灘高での勉強の仕方を教えただけですが。
生徒のタイプに応じてもう少し具体的に話しましょう。
直前の12月でもE判定の生徒について
灘高校にトップ合格した生徒について
公立高校に合格した生徒について
直前の12月でもE判定の生徒について
入試直前の12月において第一志望校の合格判定がE判定であれば一般的に言って合格は不可能です。ですがそれを可能に出来る場合もあります。
ある生徒を高校1年生(正確に言うと中学3年生の2月)の時に引き受けました。この生徒は中学入試の時にも担当した生徒でした。勉強が嫌いで積極的に勉強しようとする意欲がかなり少ない生徒でした。大学受験に向けて基礎力をしっかりと付けてくださいとのことでした。週1回で日頃は英語と数学をコツコツと指導し、学校で使用している一般には販売されていない学校採用専用書籍を何とか手に入れてそれを何部もコピーして私の宿題としてFAXさせてそれを添削して間違えた問題を再課題にまたFAXさせるという気の遠くなる作業を地道に続けました。そして定期テスト前には国語理科社会ととにかく内申の成績が下がらないように精一杯の指導をしました。さすがにこれでは勉強時間が足りないので高校2年生になった時に「クラブ活動を止めてもらえませんか?」とお母様にお願いしました。それに対しお母様は「この子はクラブを止めるとますます勉強しなくなると思います。」と即答されました。私は恥ずかしくなりました。この生徒の性格は良く分かっている筈なのに自分の苦しさから逃れるためについ楽に指導出来るかもと思いこれを提案してしまったことを。睡眠時間を削って指導を充実させました。
そして高校3年生の10月に第一志望と第二志望の推薦入試がありました。第一志望は駄目でしたが第二志望は合格出来ました。これで私の仕事は終了だなと思っていましたが、お母様はこう仰ったのです。「このまま努力もせずに大学に行き資格を取って仕事に就いてもこの子の人間形成には何の良いこともありません。あと2,3か月一般入試に向けて猛勉強させてくれませんかと。」もちろん私に異論はありません。なぜならこの生徒は第一志望不合格を物凄く悔しがっていたので何とかなるような気がしたのです。
それから一般入試にむけて特訓が始まりました。入試問題を徹底的に分析し無駄な勉強を一切排除し合格に必要な分野だけを勉強させました。学校が休みに入った時には週3回指導しました。そして本人に言いました。「君には中学入試の時に、先生は絶対に手を出さないと約束しましたよね。それを撤回します。お母さんの許可を得ています。1回でもFAXをさぼったらお尻を思いっきりたたくからね。」と。生徒はビビったでしょう。この子がクラブで使っていた握力を鍛えるハンドグリップを私は生徒の目の前でで親指と薬指の2本でやって見せたのですから。この生徒は睡眠時間を削って私の宿題をサボらずに3か月私のしごきに耐えました。具体的な勉強方法はここでは書けないことをお許しください。結果は見事に第一志望合格です。
私の会心の仕事の一つです。合格祝いに呼ばれた後、帰宅するときに100m先まで聞こえるのではないかというような体育会系の大声で「ありがとうございました。」と言われました。とても恥ずかしかったですがそれ以上に嬉しかったです。
灘高校にトップ合格した生徒について
この生徒を指導することになった経緯は非常に珍しいものでした。最初に問い合わせしていただいた時には既にスケジュールが一杯で指導が無理だったのでキャンセル待ちをなさっていました。キャンセル待ちから7カ月ほど経過した10月、ある生徒が大病を患い受験を断念することになりました。その生徒の志望校が灘中学だったのです。
最初の体験授業の私の感触ではC判定程度でした。灘高校受験を考えている生徒は中学1年の時から、いや正確には中学受験終了の小学6年の1月から灘高校の受験勉強をしている場合が大半です。あと3,4カ月では少し難しいなと思いました。次の授業の時に灘高校の国語の過去問をしてもらいました。まずは国語の読解力を判定してそれを他の科目の指導にも生かそうと考えました。6割ほどの得点でした。体験授業の時に見せてもらった成績表通りの得点でした。間違えた問題を一つ一つ丁寧に解説しました。非常に真剣に聞いてくれていました。特に問題を出題する教師が何を考えて出題するか、ある問題の正解がはっきりしない場合にどう対処するか、問題に即して説明している時には食い入るように聞いていました。3回目の授業の時の国語の過去問の得点が何と9割越えでした。これで分かりました、この生徒が躓いていた箇所が。この生徒は私が指導すれば間違いなく合格できることが。
次は数学です。成績表からもこの生徒が数学が得意だということは分かっていましたが、問題の解き方を目の前で見ていないので本当に安心できるレベルなのか確かめたかったのです。素晴らしい内容でした。計算速度は速いですが丁寧に答案を作成していき、少し詰まると前に戻って確かめることを地道に実行していました。すぐに生徒に言いました、この勉強態度で間違っていない、文句なしですと。生徒は喜んでいました。これで国語と数学は過去問を15年分ほど渡して自分で勉強してもらうことにしました。
理科は少し苦手分野があるようでした。でも数学の内容から自分で勉強して分かりにくい問題を質問してもらいそれを丁寧に解説するだけで大丈夫だろうと判断しました。本当は目の前で解いてもらいたっかのですが、なんせ週1回の授業、英語に力を入れなければいけないのでこうせざるを得ませんでした。英語は国語と同じ言語科目、国語の解き方はそのまま英語にも当てはまります。しかし生まれてからずっとなじんでいる日本語と本格的に学んで3年足らずの英語では勝手が違うのでしょう。まして灘高校の英語の入試問題は下手な大学受験の問題よりもレベルが高いので、安心できるレベルになるまで3カ月かかりました。特に知らない単語や熟語がある場合の読解方法、正解の見つけ方を多くの過去問を通じて丁寧に説明しました。そして分からない問題を勘で正解する方法(万能ではありませんが)も。
入試が終わった後に「英語の山本式読解方法が見事にはまりました。」との連絡を受けた時には合格を確信しました。まさかトップ合格とは思いませんでしたが。この生徒には感謝しています。私の指導方針が間違っていないことを再確認できたので。
公立高校に合格した生徒について
中学3年生の2学期には決定してしまいます。なので公立高校に合格させようとすると、中学2年生の時に引き受けるか、3年生の時点で引き受ける場合ならば、合格可能性のある成績からあまりかけ離れた成績でない必要があります。もちろん例外もあります。
ある生徒を中学3年生の4月に引き受けました。成績は偏差値レベルでいえば40を切っていました。この生徒を週1回で全科目指導して、まず学校の定期テストで点を取らせなければなりません。もちろん週1回2時間の授業で全科目の講義が出来る筈もありません。全科目の宿題を出し、それらをすべてFAXさせ、その正誤を確認して更なる指示を出すという指導法を取る事にしました。ところが厄介なことが。「宿題は自分で採点してからFAXするように。」と指示していたのですが、英語ではスペルが1字間違えていても正解にしていたり、数学の証明問題では合同や相似の問題で対応する点を間違えていても正解にしていたりすることが非常に多いのです。こういう事が他の科目でも多いのです。それを次の授業の時に指摘すると、「宿題が多くてそこまで丁寧に正誤のチェックが出来ない。」とその生徒は言うのです。本当かどうか私は耳を疑いました。それで私の目の前で、宿題に出す予定の英語と数学の問題を少ししてもらって採点をさせました。すると採点のチェックが非常に遅いのです、わざと遅くしているのではなく、横で見ていて本当に真剣に採点していました。これは40の偏差値などではない30近いのではないかと感じました。それをご両親に質問すると今までに一番良かった模試の偏差値だと言われました。偏差値を平均すると30前半だという事でした。何故それを最初に言って下さらなかったのですかと伺うと正直に言うと先生が引き受けて下さらないと考えましたと仰るのです。確かにこのレベルで週1回で一か月先の中間テストで結果を出すのは不可能だと思われました。しかし一旦引き受けておいて投げ出すのは私の主義主張に反するので継続して引き受ける事にしました。
中間テストが1か月先に迫っているので、前回と同じ宿題の量を出し、それを自己採点させてFAXしてもらい、こちらが一字一句丁寧にチェックして送り直し再課題にしてそれを再びFAXさせてまたチェックするという、気の遠くなる作業を1か月続けました。その結果、学校の進路指導の先生にこのまま成績が伸びれば公立高校も夢ではないと言われたそうです。こちらとしても少し可能性が出てきたのだから、このまま頑張るしかないと思いました。他の生徒の指導の手抜きはもちろん出来ませんから、睡眠時間を減らしてFAXのチェックをやるしかありません、どこまで私の体がもつか多少心配でした。一学期の期末も何とか成績を伸ばしました。勝負は夏休みです。ご両親に「せめて夏休みの期間だけでも週2回にして頂けますか?」とお願いすると快諾して下さいました。夏休みは生徒本人の家庭学習の時間が増えるので、いくら時間がかかっても自分で丁寧に採点させました。自分で自分の誤りに気付いてそれを自分でやり直しをしてこそ成績は伸びます。すると夏休み明けの9月の実力テストでは、生徒本人が言いました、「今まで取ったことがない良い点でした。」と。私の目から見てもこの5か月で偏差値でいえば20近く伸びました。そして夏休みは生徒本人に丁寧に宿題の採点をさせたので私の睡眠時間も確保できました。ラストスパートする体力が戻りました。
2学期になり再び生徒に家庭学習にかける時間が減ったので、FAXはまた私が丁寧に採点する事になりました。でも生徒の学力が伸びたので前述のような誤りはかなり減少したので私の睡眠時間も少ししか減少しませんでした。中間テストでは偏差値が55ほどになり、学校の進路指導の先生に公立高校OKの内諾を頂きました。期末テストの結果、公立高校は大丈夫と言われました。これでほぼ安心です。ご両親にお願いして宿題のチェックを生徒本人にしてもらう事にしました。もちろんこの生徒の指導の手抜きをした訳ではありません。内申で大丈夫と言われればこのまま普通に勉強すれば合格が間違いないからです。結果は公立高校合格です。